30代同人女が黙々と体重をさらす

あんな…自分腐女子なんよ……7年くらい同人やっとったら15キロ体重増えててアカーンなったんよ……

寒すぎてターボライターがお仕事をしない

ちな体重計の電池もお仕事を放棄してご臨終していた南無南無。

電池を買い逃し仕事から帰ってしまう日を過ごし早幾日。

 

ずっと体重が量れないでやんの。

 

やめて。量れない間に何キロ体重増えてるんだやめて。と思いながら量った体重は63.3キロ31.0%。そんな増えてなかった。許した。全世界を許した。許したって何者だよ。加藤だよ。

 

いや、わかる。寒いもんね。

 

ガスだって気化したくないだろうし電池だってがんばって力尽きちゃうよね。

 

でも大丈夫。ターボライターはお尻のポケットであっためてるし電池は新人を投入した。

電池を買うついでに命を落としかけていたうちのドライヤーちゃんも新人君を投入して心安らかに休んでもらう準備を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

そんな寒い冬の始まりですが世界は冬になると完全に二分されるんじゃないかと思う。

冬の始まりに世界は形を変え、ある日突然、非常に強い力で、残酷なほど、分断されてしまうのだ。境界線はどこにでも転がっている。

 

 

そう。掛け布団。それが世界のボーダーだ。

 

 

朝の掛け布団はそのボーダーを常より一層強く強く、世界に線を引く。

 

私たちはそれを何より恐れて小さな世界で震えるのだ。

 

その小さな世界は空気が優しく人々を包み込みあたたかなもので満たされている。

世界は私で、私は世界だ。

ひどく調和のとれたその世界は私たちをボーダーの外に出すことを拒む。

 

危険を承知で、生きるために外へ出ようとする私たちにあの手この手でささやいて甘やかしとろけさせて、そのあたたかなボーダーの中で世界として生きようと私たちを引き留めるのだ。

 

ボーダーの外では体重計の中で新人電池さんが、箱から出された生まれたばかりのドライヤーくんが、いつも私にあたたかなコーヒーを淹れてくれる電気ケトルの先輩が、その凍てつく寒さの中歯を食いしばって戦いながら私の生活を守っている。

幾度の修羅場をともに過ごしたパソコンも家庭的なにおいを撒き散らし米を踊らせる陽気な炊飯器も私と仕事をつないでくれるハイヒールも元気を出せよとほほ笑んでくれるビタミン剤くんも何度も一緒に泣いて笑ってくれた親友の同人誌もみんなみんな巨大で凶暴な冬と言う名の敵と正面から対峙をしている。

 

私と私のポケットに入ったターボライターとスマホだけが掛け布団と言う名のボーダーの中で、世界として、ぬくぬくと………

ここから先の言葉は、あまりにも喉が痛んで重くて………震えてしまって、うまく声にのせて外に出せそうにないな………

 

ごめん、ごめんなさい……電池、ドライヤー、電気ケトル……パソコンも炊飯器もハイヒールもビタミン剤も…同人誌も……っ!!!いつも一緒に戦ってくれているのに……本当にごめんなさい……っ!

特にパソコン、昨日の夜、日が昇る前に落ち合って……一緒に原稿しようって……指とコードを絡めて指コード切げんまんしたのに………っ

私だけ、私だけ掛け布団に守られてぬくぬくと……!

私は弱くて、掛け布団の甘やかな空気に守られて、遅刻ギリギリまで……!

 

 

 

ぼやけた思考で、乾いた眼球で、毎朝そんな事を考えてる。

毎朝は嘘です。

自カプの受けがもしそんなモノローグを始めたら私コミスタマンションをぶんなぐって消しちゃうな。強い受けが好きなんだ。

 

自カプの他の人が書いた話なら俄然許すのに。誰か冬の朝の私を書いてくれ。許すので。だから許すって何様だよ。